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11話 ユウマの冷たい視線に射抜かれた新たな標的、アヤ

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-10-21 14:51:03

「ユウマくんと……繋がれたね……」

 その声は、安堵と満足に満ちていた。それは、初めての経験で、ユウマに身体も心も支配されたことへの、純粋な喜びの告白だった。ユウマは、そんな彼女の言葉に、気のない返事をする。

「だなー」

 ユウマは、何事もなかったかのように立ち上がり、シオリを優しく抱き寄せた。彼は、この性交を終え、ようやく能力を解除したのだ。

 その瞬間、クラスメイトたちのざわめきが、まるで堰を切ったように教室に広がった。これまで何も気づかなかった生徒たちは、突然目の前に現れた、ユウマの膝に跨がり、身なりを整えたばかりのシオリの姿に驚愕していた。

 シオリは、そんな周りの視線など気にも留めていなかった。彼女の意識は、ユウマとの繋がりに囚われたままだった。いつもは強気で、ツンとした態度を取る彼女が、ユウマに甘えている。そのあまりの豹変ぶりに、クラスメイトたちは言葉を失い、ただ呆然と二人を見つめることしかできなかった。

 ユウマは、シオリを抱きしめたまま、新たな標的に視線を向けた。彼の視線の先にいたのは、ヒナの机にいたずらをしていた女子、アヤだった。彼女は、ユウマの冷たい視線に射抜かれると、反射的にユウマを拒絶する。

「はぁ? なんでお前なんかに指示されないといけないわけー? きもーい」

 彼女の言葉に、ユウマは薄く笑みを浮かべた。

「んふふ……威勢が良いの嫌いじゃないよ」

 ユウマは、アヤに近づき、彼女の自慢の金髪にそっと手を伸ばす。サラサラとした感触を確かめるように、ゆっくりと撫でた。

「きゃ、勝手に触んな……よぅ……」

 アヤの声は、威勢の良さを失い、震えを帯びていた。ユウマに見つめられると、彼女の顔色はみるみるうちに青ざめていく。まるで、目の前の存在が、人間ではない何かであるかのように。彼女の本能が、ユウマの異質で危険な雰囲気を察知し、身体が動けなくなっていた。

「んーじゃあ、触ってもいい? 許可を得ればいいんだよね」

 ユウマは、囁くように尋ねた。その声は、アヤの耳の奥で、甘い毒のように響く。

「す、好きにすれば……」

 アヤは、口ではそう言いながらも、ユウマが頭を撫でやすいように、無意識に首を傾げていた。その瞬間、彼女は、ユウマの支配下に堕ちたことを、彼に示したも同然だった。教室の中で、強気な性格の女子二人を完全に手なずけ、いじめられていた女子たちを、おもちゃと呼んで支配している。

 ユウマは、二人の女子を従え、新たな獲物であるアヤに手を伸ばしていた。

 この教室という小さな王国で、彼の支配は、さらに拡大していく。

 アヤのサラサラな金髪を撫でながら、ユウマは彼女の耳元で囁いた。

「俺、アヤちゃん好みかもー」

 その言葉に、アヤの顔がみるみるうちに真っ赤に染まった。彼女は、羞恥心から視線をユウマから逸らし、小声で呟く。

「は? そ、そんなこと言われても……うれしくねーしー……キモ……」

 その声は、初めの威勢の良さが嘘のように小さく、ほとんど聞こえないほどだった。明らかに照れ隠しだと分かるその様子に、ユウマは楽しげに口角を上げる。

 彼は、そっとアヤの背後に回り込んだ。小柄な身体を、包み込むように優しく抱きしめる。

「きゃ、わ、わぁ……な、なにしてるのよ!?」

 アヤの身体が、驚きと戸惑いで跳ねる。彼女は、ユウマの腕の中で身動きが取れなくなり、小さな悲鳴を上げた。

「ん? ボディーチェックかな」

 ユウマは、彼女の背中を撫でながら、何気ない口調で答える。その言葉に、アヤは混乱を隠せない。

「お、お前……バカだろ!?」

 顔を真っ赤にさせ、彼を見上げながら叫ぶ。

「え? イヤだった?」

 ユウマが尋ねると、アヤは一瞬言葉を詰まらせた。そして、諦めたように、そして少しだけ拗ねたように答える。

「……い、イヤじゃねーよ……ビックリしただけだし……」

 彼女は、ユウマに抱きしめられたまま、顔を赤くして俯いた。その柔らかな感触と、背後から伝わる体温に、彼女の心臓は激しく高鳴っていた。

 アヤを抱きしめたまま、ユウマはヒナとシオリに声をかけた。

「あ、他の二人は帰っていーよー」

 その言葉に、ヒナとシオリは顔を見合わせる。ユウマに嫌われたくないという恐怖と、彼のそばを離れたくないという切ない思いが、二人の表情に複雑に浮かんでいた。彼女たちは、何度も何度も後ろを振り返りながら、名残惜しそうに教室を出ていった。

 二人の姿が見えなくなると、アヤの口調がコロッと変わる。

「なんで帰したの?」

 ユウマは、アヤの身体を抱きしめたまま、耳元で囁く。

「え? 今、俺言ったよね? アヤちゃんが、好みだってさ。二人で仲良くしたいから……」

 その言葉は、まるで彼女だけを特別扱いしているかのように甘く響いた。アヤは、その言葉に戸惑いながらも、頬を赤らめて呟く。

「……そ、そう……なの?」

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